皆さん、こんにちは。ビーズクリエイトの鈴木です。

今回は販売戦略策定に欠かせない「SWOT分析」について、分かりやすく解説していきたいと思います。ビジネスの世界では頻繁に使われるフレームワークなので、注意点などを確認して、有効に活用していきましょう！

１．SWOT分析とは？

SWOT分析とは、企業や事業、製品、サービスなど、分析対象を取り巻く内部環境と外部環境を分析し、現状を客観的に把握するためのフレームワークです。SWOTは、それぞれの頭文字を取ったもので、以下の4つの要素から構成されます。

  • S：Strengths（強み）：分析対象の内部環境における優位性やポジティブな側面。競合他社と比べて優れている点、顧客に評価されている点、独自の技術やノウハウ、優秀な人材など。
  • W：Weaknesses（弱み）：分析対象の内部環境における劣位性やネガティブな側面。競合他社と比べて劣っている点、顧客から不満の声が上がっている点、資金力不足、ブランド力の弱さなど。
  • O：Opportunities（機会）：分析対象の外部環境におけるポジティブな要因。市場の成長、競合他社の衰退、新たな技術の登場、社会情勢の変化など、活用することで有利に働く可能性のある要素。
  • T：Threats（脅威）：分析対象の外部環境におけるネガティブな要因。市場の縮小、競合他社の台頭、代替製品の出現、法規制の強化など、事業に悪影響を及ぼす可能性のある要素。

これらの4つの要素を分析することで、現状を多角的に把握し、効果的な戦略を立案することができます。SWOT分析は、いわばビジネスにおける「健康診断」のようなものと言えるでしょう。

２．SWOT分析を行う目的

では、なぜSWOT分析を行う必要があるのでしょうか？その目的は大きく分けて以下の3つです。

  • 現状把握: 事業を取り巻く内部環境と外部環境を分析することで、客観的な現状把握が可能になります。強み・弱みを理解することで、自社の競争優位性を明確化し、弱点を克服するための対策を立てることができます。また、機会・脅威を分析することで、将来的なリスクとチャンスを予測し、対応策を検討することができます。
  • 戦略立案: 現状把握に基づき、効果的な戦略を立案することができます。強みを生かして機会を活かす戦略、弱みを克服して脅威を回避する戦略など、SWOTの各要素を組み合わせて、最適な戦略を導き出すことができます。
  • 意思決定: SWOT分析の結果は、経営判断や意思決定の材料としても活用できます。例えば、新規事業への投資、製品開発、マーケティング戦略など、重要な意思決定を行う際に、SWOT分析の結果を参考にすれば、より合理的な判断を下すことができます。

３．SWOTの各要素のアイテムのまとめかた

SWOT分析を行う上で重要なのは、各要素を具体的に洗い出し、リストアップすることです。漠然としたイメージではなく、具体的な項目を挙げることで、より精度の高い分析が可能になります。以下に、各要素のアイテムをまとめる際のポイントを解説します。

  • Strengths（強み）: 独自の技術、特許、高いブランド力、優秀な人材、効率的な生産体制、低コスト構造、充実した顧客サポートなど。具体的な数値データや顧客の声、市場シェアなどを用いると説得力が増します。「〇〇業界でシェアNo.1」「顧客満足度90%」など。
  • Weaknesses（弱み）: 知名度の低さ、資金力不足、設備の老朽化、人材不足、低い生産性、高いコスト構造、顧客サポートの不備など。強みと同様に、具体的な数値データを用いると分析の精度が上がります。「競合他社と比較して生産性が20%低い」など。
  • Opportunities（機会）: 市場の成長、新たな顧客層の開拓、競合他社の衰退、技術革新、法規制の緩和、社会トレンドの変化など。市場規模の予測データや社会情勢の分析レポートなどを活用しましょう。「〇〇市場は今後5年間で2倍に成長すると予測されている」など。
  • Threats（脅威）: 市場の縮小、競合他社の台頭、代替製品の出現、技術革新による陳腐化、法規制の強化、経済の低迷など。リスク発生確率や影響度などを評価することで、より具体的な対応策を検討することができます。「競合他社が新製品を投入し、市場シェアが奪われる可能性がある」など。

これらの要素は、ブレインストーミングやアンケート調査、市場調査などを活用して収集します。また、様々な部署のメンバーを巻き込むことで、多角的な視点を取り入れることができます。

 ４．まとまったSWOTの要素の結果から、どのように戦略を策定するか

SWOT分析で各要素を洗い出したら、次はそれらを組み合わせて戦略を策定します。これをクロスSWOT分析と言います。クロスSWOT分析では、以下の4つの戦略を検討します。

  • SO戦略（強みを活かして機会を捉える）: 強みと機会を組み合わせた攻撃的な戦略。市場の成長トレンドに合わせて、自社の強みを活かした新製品を開発する、など。
  • WO戦略（弱みを克服して機会を捉える）: 弱みを克服することで機会を活かす戦略。人材不足を解消するために採用活動を強化し、成長市場に参入する、など。
  • ST戦略（強みを活かして脅威を回避する）: 強みを活かして脅威の影響を最小限に抑える戦略。高いブランド力を活かして、競合他社の攻勢に対抗する、など。
  • WT戦略（弱みを克服して脅威を回避する）: 弱みを克服することで脅威の影響を最小限に抑える、守備的な戦略。コスト構造を改善することで、価格競争激化に備える、など。

これらの戦略を検討する際には、それぞれの戦略の実現可能性やリスク、費用対効果などを考慮する必要があります。

５．SWOT分析で起こりがちな失敗

SWOT分析は強力なツールですが、正しく行わなければ効果的な戦略を策定することはできません。以下に、SWOT分析で起こりがちな失敗例を挙げます。

  • 主観的すぎる評価: 分析が自社の視点に偏りすぎ、客観性を欠いてしまう。
  • 過剰なアイテム化: あらゆる要素をリストアップしすぎて、重要なポイントが埋もれてしまう。
  • 要素の洗い出しが不十分: 抽象的な表現や漠然とした内容に終始してしまう。
  • 内部環境と外部環境の混同: 強みと機会、弱みと脅威を混同してしまう。
  • 優先順位付けができていない: すべての要素を同列に扱ってしまい、重要な要素が見落とされる。
  • 分析結果に基づいた具体的な行動計画がない: 分析結果を戦略に落とし込めていない。
  • 定期的な見直しを行わない: 環境変化に対応できず、分析結果が陳腐化してしまう。

これらの失敗を避けるためには、第三者の意見を取り入れる、重要度の高い項目に絞る、具体的な項目を挙げる、内部環境と外部環境を明確に区別する、優先順位をつける、具体的な行動計画を策定する、定期的に見直しを行う、といった点に注意する必要があります。

６．まとめ

SWOT分析は、現状把握、企業の内外の状況を客観的に評価し、強み、弱み、機会、脅威を明確にし、それに基づいて具体的な戦略を策定することで、組織の成長を支援します。客観的な視点を持ち、環境の変化に対応し、戦略的な行動計画を確実に実行することが成功の鍵です。今回解説した内容を踏まえ、SWOT分析を行うことで市場での競争力を高め、より良い未来を築いていきましょう！

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