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営業スキル 【思考の枠を壊す!】水平思考(ラテラルシンキング)で発想力を劇的に高める方法とは?

皆さん、こんにちは!唐澤農機サービス、B’sCre8(ビーズクリエイト)の齊藤です。

現代社会は、情報が滝のように流れ込み、技術は目まぐるしく進化し、私たちの働き方やライフスタイルも大きく変化しています。

このような変化の波を乗りこなすために、私たちには柔軟な思考力、特に「新しい発想を生み出す力」が求められています。

世の中には、論理的思考力や問題解決能力を高めるための様々な研修・セミナーやノウハウが存在します。論点思考、仮説思考、概念化思考、コンテキスト思考、アナロジー思考、ロジカルシンキング、分析思考、クリティカルシンキング、ラテラルシンキング…、挙げればきりがありません。

これらの思考法は、それぞれの特性を生かして複雑なビジネスシーンに対応するために編み出されてきました。

そして、激変する現代において特に重要性を増しているのが “水平思考(ラテラルシンキング)” です。

水平思考とは、既存の知識や常識にとらわれず、自由な発想で問題解決を目指す思考法です。

今回は、この水平思考について、その基礎からビジネス、営業、育成、マネジメント、コンサルティング、採用活動といった様々なシーンにおける活用法、そして具体的なトレーニング方法までご紹介します。

この記事を読み、身に付ければあなたの発想力は飛躍的に向上し、仕事やプライベートのあらゆる場面で実践でき、役立つこと間違いなしです。ぜひ最後までお付き合いください!

水平思考(ラテラルシンキング)とは  – 既存の枠組みを超える発想の技術

水平思考(ラテラルシンキング)とは、固定観念や既存の論理にとらわれず、「物事を多角的に考察する」「新しい発想を生み出す」の様な自由な発想で問題解決を目指す思考法です。1960年代にマルタ生まれの心理学者エドワード・デ・ボノ博士によって提唱されました。

英語の「ラテラル(Lateral)」 には 「側面の」「横からの」「水平の」 といった意味があり、日本では、論理的に筋道を立てて考える「垂直思考(ロジカルシンキング)」 と対比させて 「水平思考」 と呼ばれています。

三大シンキング -それぞれの思考法の特徴

よく耳にされる思考やシンキングの中で代表的なものがロジカルシンキング(論理的思考・垂直思考)、クリティカルシンキング(批判的思考)、ラテラルシンキング(水平思考)になりこの3つの思考が三大シンキングと呼ばれています。

これらの思考法は、それぞれ異なる目的と特徴を持っています。

分かりやすくどの分野に特化しているのか分かりやすくすると

ロジカルシンキング:「情報の整理」「問題解決」

特徴:論理に基づいて物事を分析し、筋道を立てて考える

クリティカルシンキング:「思い込みの排除」「意思決定」

特徴:批判的な視点で情報を取捨選択し、客観的に判断する

ラテラルシンキング:「新たな発想」「イノベーション」

特徴:自由な発想で既存の枠組みを超えたアイデアを生み出す

水平思考が求められる理由

現代社会は、グローバル化や技術革新によって、複雑化・多様化が進んでいます。従来の常識や成功体験が通用しなくなり、これまでの延長線上にはない、全く新しい発想が求められています。

では、ラテラルシンキングの特徴をもう少し深掘りしてご紹介します。

ラテラルシンキング課題 

 

ラテラルシンキングの有名な課題に「オレンジの分け方」

水平思考の特徴を理解するために、有名な課題である 「オレンジの分け方」 を例に考えてみましょう。

【課題】

13個オレンジを、3人の子どもに公平に分けてください。

13は3で割り切れません。あなたならどうやって公平に分けますか?

回答例を見る前に少し考えてみてください。

【回答例】

①1人4個ずつ分けて、残りの1個を3等分に切り分ける

②オレンジの重量を量り、個数ではなく総重量が同じになるよう切り分けて与える

③オレンジの果汁を絞り、オレンジジュースを3等分する

④1人4個ずつ分けて、残りの1個の種をまき、実ったオレンジを均等に分ける

 

①と②は「目の前のオレンジを」「今すぐ」分ける、という前提に沿って論理的に考えた結果の回答です。しかし、③と④は「目の前のオレンジ」「今すぐに」という前提を取り払って自由な発想で考えています。

今回例に出した4つの回答のうち、どれかが正しくどれかが間違っている、ということはありません。発想をさらに広げていけば別の答えも出てくるでしょう。

水平思考(ラテラルシンキング)では、既存の枠を取り外して思考するため、これまでにない発想が生まれます。問題解決に繋がるのであれば、複数の結論があっても良いと考えるのが水平思考の特徴です。

(参考:木村尚義『ずるさで勝る水平思考トレーニング』『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』木村尚義著)

『ウミガメのスープ』で思考力を試そう!

水平思考のトレーニングとして有名な 『ウミガメのスープ』 というゲームをご存知でしょうか?

これは、出題者が「奇妙な状況」を提示し、回答者は「はい」か「いいえ」で答えられる質問を繰り返しながら、その状況の真相を推理していくゲームです。

例えば、「ある男がレストランでウミガメのスープを一口飲むと、青ざめて店を飛び出していった。なぜでしょう?」という問題が出題されたとします。

回答者は、「スープに毒が入っていたのですか?」「男の人はウミガメアレルギーだったのですか?」といった質問を繰り返しながら、真相に迫っていきます。

このゲームは、自由な発想と論理的思考の両方を必要とするため、水平思考のトレーニングに最適です。

ラテラルシンキング活用の事例

【事例で学ぶ】水平思考が生み出したイノベーション

水平思考は、私たちの身近なところにも、革新的な製品やサービスを生み出しています。ここでは、水平思考が活用された事例を2つご紹介しましょう。

『自動改札機導入』

駅員が切符を切っていた時代に人件費や効率化を考え自動改札機が考案されました。

現在は、JR東日本のSuicaをはじめとする共通乗車カード・電子マネーの普及によって、ICカードさえあれば大抵の交通機関を利用できるようになりました。乗車のたびに切符を購入する必要がなく、利用者にとってはとても便利なシステムになっています。

ただし、考案され導入までICカードをタッチしてから、通り過ぎるまでの時間が最大の問題になっていました。

当然のことながら、ICカードをタッチして自動改札機を通り抜けるまでの間に、自動改札機は運賃計算をしています。ですが、それこそが開発者の頭を悩ませる原因でもありました。

運賃計算には、一定の時間が必要です。とくに、他線への乗り換えをした場合は計算が複雑になり、処理時間が長くなります。その間、人が通り抜けないように出口を閉じてしまうと、人の流れが止まり、混雑や思わぬ事故を招いてしまう危険もあります。

それでは、「運賃計算に時間がかかる」問題を解決するには、どのような方法が考えられるでしょうか。

ロジカルシンキングでは

物事を考えるときの思考の一つが論理的思考、いわゆる「ロジカルシンキング」です。Aを解決するにはBが問題、そのためにはCをしなくてはならない、というように物事をA→B→Cと順序立てて考え、解決法を導く方法です。極めて常識的で、ビジネスにおいても多用されている考え方です。

自動改札機の問題をロジカルシンキングで考えた場合、導入の為の大きな問題が出ます。

・複雑な運賃計算に時間がかかる

その問題を解決する為に、次のような2つの解決法が挙げられます。

・自動改札機の処理速度を上げる

・人数に対応出来る様に自動改札機を増設する

「複雑な運賃計算に時間がかかる」→「今の情報システムでは処理しきれない」→「コンピューターの処理速度を上げればいい」。確かに理にかなった答えです。ただ問題は、コンピューターの処理速度を上げるのはそう簡単ではないこと。また、技術開発には、時間、労力、お金などあらゆる投資が必要です。

それでは、「人数に対応出来る様に自動改札機を増設する」はどうでしょう。

「複雑な運賃計算に時間がかかる」→「改札機の数が少ないと、計算の間、人を待たせてしまう」→「増設して一度にたくさんの人を通せばいい」。これも理にかなった方法です。ですが、増設するにはそれだけのスペースとお金がかかります。また、混雑する時間帯以外は、スペースが無駄になってしまうケースも考えられます。

ラテラルシンキングでは

では、実際開発者たちはどのようにして問題を解決したのか。

処理速度を早くした訳でもなく、自動改札機を増設した訳でもありません。

今回の自動改札機導入での前提は駅員が使用していたスペースになります。その前提を排除する事により、全く違う解決策の「自動改札機そのものを長くした」が導き出されました。

これならば、最初の問題を解決する為に出した

・自動改札機の処理速度を上げる

・人数に対応出来る様に自動改札機を増設する

この2つを全く別のアプローチ方法により解決につながりました。

この様に、ラテラルシンキングでは、自動改札機の長さを解決策として提案されています。つまり、自動改札機の性能を上げたり、設置台数を増やすのではなく、自動改札機そのものの構造を見直し、より効率的なものに改良することで、運賃計算にかかる時間を解消しようという考え方です。このアプローチでは、従来の枠組みにとらわれず、新しいアイデアや視点から問題に取り組む事が可能になります。

ポストイット®

3M社の研究員スペンサー・シルバー氏は、強力な接着剤の開発に取り組んでいましたが、誤って接着力が弱すぎる接着剤を発明してしまいました。

当初、この失敗作は使い道がないと思われていましたが、同僚のアーサー・フライ氏が、教会の聖歌隊で楽譜を挟むのに困っていたことをきっかけに、この接着剤を塗ったメモ用紙 「ポストイット®」 が誕生しました。

水平思考によって、失敗作が見事に実用的な製品へと生まれ変わったのです。

エドワード・デ・ボノは、人は「思考のパターン化」が起きやすく、それはバターにお湯を垂らすようなものだと言っています。どういうことかというと、バターの上にお湯を垂らすと、バターが溶けて溝ができます。何度も何度もお湯を垂らすと、その溝はどんどん深くなります。その溝を深くする行為が、まさしく「勉強」や「知識」。専門であればあるほど知識の溝は深まり、その溝から容易に抜け出せなくなり、思考がパターン化してしまうのです。

その思考から踏み出す為の思考法がラテラルシンキングです。

ラテラルシンキングの発想手法

以下にそれぞれの発想法について詳しく説明します。

1,改善法

改善法は、既存のアイデアや製品を改善するための発想法です。この手法では、既存のものに対してどのように改善できるかを考えます。例えば、製品の使い勝手を向上させたり、コストを削減したりすることができます。改善法を実践する際には、まず既存の製品やサービスに対するフィードバックを収集し、その問題点や改善の余地を見つけます。そして、それらの問題点に対して具体的な改善策を考え、実行することで、より良い製品やサービスを生み出すことができます。

【具体的な方法】

対象となる製品・サービスの現状を分析し、問題点や改善点を洗い出す

ユーザーのニーズや市場のトレンドを調査する

競合製品・サービスを分析し、自社製品との差別化ポイントを探る

新技術や素材の活用を検討する

【例】

スマートフォンのバッテリー持ちを改善する

オンラインショッピングサイトの使い勝手を向上させる

環境に配慮したパッケージを開発する

2,解釈法

解釈法は、問題や情報を新しい視点から解釈するための発想法です。この手法では、問題や情報を異なる視点から見ることで、新しいアイデアや解決策を見つけることができます。解釈法を実践する際には、まず問題や情報を複数の視点から分析し、それぞれの視点から得られる情報を総合して新たなアイデアを導き出します。また、他の分野や業界の知識を取り入れることで、より斬新なアイデアを生み出すことができます。

【具体的な方法】

問題や情報を異なる角度から見てみる(顧客視点、開発者視点、競合視点など)

問題を分解し、要素ごとに分析する

アナロジー思考を用いて、他の分野の事例からヒントを得る

【例】

若者の車離れを、所有から利用の時代への変化と捉え直す

少子化問題を、高齢者が活躍できる社会の実現のチャンスと捉え直す

インターネット上の誹謗中傷問題を、匿名性の是非ではなく、情報リテラシー教育の必要性と捉え直す

3,マトリックス法

マトリックス法は、異なる要素を組み合わせて新しいアイデアを生み出すための発想法です。この手法では、異なる要素を組み合わせることで、新しい製品やサービスのアイデアを生み出すことができます。マトリックス法を実践する際には、まず異なる要素をリストアップし、それらを組み合わせて新たなアイデアを考えます。また、異なる業界や分野から要素を取り入れることで、より革新的なアイデアを生み出すことができます。

【具体的な方法】

解決すべき課題やテーマを決め、関連する要素を洗い出す

要素を縦軸と横軸に配置し、マトリックスを作成する

マトリックスの各セルに、要素の組み合わせによるアイデアを記入していく

【例】

新規事業のアイデア創出(顧客層×ニーズ、技術×市場など)

商品開発(機能×デザイン、価格×ターゲットなど)

問題解決(原因×対策、影響範囲×緊急度など)

4,定点観察法

定点観察法は、特定の観点や視点から問題や情報を見るための発想法です。この手法では、特定の視点から問題や情報を見ることで、新しいアイデアや解決策を見つけることができます。定点観察法を実践する際には、まず問題や情報に焦点を当て、それを深く掘り下げることで新たな発見をすることができます。また、他の視点や観点からも問題を見ることで、より多角的なアプローチを取ることができます。

【具体的な方法】

観察対象と期間を定める

対象を注意深く観察し、行動パターンや変化を記録する

観察結果を分析し、問題点や改善点、新たなニーズなどを探る

【例】

駅のホームを1日観察し、利用者の行動パターンからサービス改善のヒントを得る

スーパーマーケットのレジを定点観察し、顧客の購買行動を分析する

子供の遊びを観察し、新しいおもちゃのアイデアを得る

5,合体法

合体法は、異なるアイデアや要素を組み合わせて新しいアイデアを生み出すための発想法です。この手法では、異なるアイデアや要素を組み合わせることで、新しい製品やサービスのアイデアを生み出すことができます。合体法を実践する際には、まず異なるアイデアや要素を収集し、それらを組み合わせて新たなアイデアを考えます。また、異なる視点や業界からアイデアを取り入れることで、より斬新な製品やサービスのアイデアを生み出すことができます。

【具体的な方法】

テーマに関連するキーワードやイメージを複数挙げる

ランダムに選んだキーワードやイメージを組み合わせる

組み合わせた結果から、新しいアイデアや解決策を考案する

【例】

音楽と料理を組み合わせた、エンターテイメントレストラン

ファッションとテクノロジーを組み合わせた、ウェアラブルデバイス

旅行と語学学習を組み合わせた、体験型ツアー

【ビジネスシーン別】水平思考の活用術

水平思考は、アイデア創出だけでなく、ビジネスにおける様々な場面で効果を発揮します。

営業:顧客の心を掴む提案力

顧客の潜在的なニーズを引き出す質問力を磨く

競合他社との差別化を図る、独自の提案を行う

顧客の抱える課題に対して、複数のアプローチ方法を提示する

育成:部下の発想力を引き出す

論理的思考だけでなく、自由な発想を奨励する

グループワークやブレインストーミングを活用し、多様な意見を引き出す

失敗を恐れず、チャレンジ精神を育む

マネジメント:組織にイノベーションを起こす

従来のやり方にとらわれない、柔軟な組織運営を行う

多様な専門性を持つ人材を登用し、新しい視点を取り入れる

社員からの自由なアイデアを積極的に募集する制度を設ける

コンサルティング:顧客の課題解決に新たな光を

顧客の業界や事業内容にとらわれず、多角的な視点から課題を分析する

従来のコンサルティング手法にとらわれず、顧客に最適なソリューションを提案する

顧客と共に考え、共に創り上げていく姿勢を大切にする

採用活動:個性豊かな人材を発掘する

面接で型通りの質問ではなく、思考力を試すような質問を取り入れる

グループディスカッションやワークショップを通して、応募者の潜在能力を見極める

多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用する

ポイントは、これらの発想法を使うことで、新しい視点やアイデアを生み出すことができるということです。また、これらの手法を組み合わせることでさらに効果的な発想が可能となります。

まとめ 水平思考で、変化を楽しみ、未来を創造する

今回は、水平思考(ラテラルシンキング)の基本的な考え方から、具体的な発想法、ビジネスシーンにおける活用事例まで幅広く解説しました。

水平思考は、決して特別な能力ではなく、訓練次第で誰でも身につけ実践することができるスキルです。

ぜひ、今回ご紹介した内容を参考に、水平思考を日々の業務や生活に取り入れてみてください。コミュニケーションの取り方から変化するはずです。

そして、既存の枠にとらわれない自由な発想で、変化を楽しみながら、より良い未来を創造していきましょう。

また、株式会社唐沢農機サービス・ビーズクリエイトでは、自己を高め合い一緒に働く仲間を募集しています。

会社のことが知りたい方はぜひ会社説明会等を開催しておりますので、気軽にご参加ください!

会社説明会の日程は、リクルートサイトの“お知らせ”よりご確認ください。

 

株式会社 唐沢農機サービス
B’sCre8 (ビーズクリエイト)
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