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プロジェクトをスケジュールどおりにマネジメントするための3つのヒントその3

こんにちは、ビーズクリエイトディレクターの神林です。

前々回から、「クリティカルチェーン」という書籍を読んで得たことをアウトプットする場として、プロジェクトのディレクションのコツについて書いています。今回は3回目で、まとめのお話です。

前回までの記事はこちらをご覧ください。

プロジェクトをスケジュールどおりにマネジメントするための3つのヒントその1

プロジェクトをスケジュールどおりにマネジメントするための3つのヒントその2

本書を読んで、私には全部で3つの気づきがありました。

  • 気づき1:全行程を網羅しているか
  • 気づき2:各工程でバッファーは設けない
  • 気づき3:バッファーを設けるのは2箇所

1回目は「全行程を網羅しているか」というテーマについて、2回目は「各工程でバッファーは設けない」というテーマについて記載しました。

最終回の今回は「バッファーを設けるのは2箇所」について説明します。

 

気づき3:バッファーを設けるのは2箇所

前回、バッファーは最も長いパス(クリティカルパス)の最後に設けるという話をしました。しかし、本当にバッファーはこれだけで良いのでしょうか?

実は、もう一つ必要なバッファーがあります。

それは「合流バッファー」です。

合流バッファー

クリティカルパスには様々なパスが合流してきます。
この、合流地点がプロジェクトの要と言っても過言ではありません。なぜなら、合流地点で無事合流できなければ、プロジェクトの次のステップに進むことができないからです。

陸上競技のリレーや駅伝をイメージするとわかりやすいかもしれません。リレーのバトンパスがうまくいけばスムーズに次に進むことができますが、いつまで経っても前走者が来なければ、次の走者は走り出すことができません。

そのため、合流地点にもバッファーを設けます。

合流バッファ

合流バッファーを設けることで、合流地点に着くまでは「学生症候群」などは発現せずに、プロジェクトをすすめることができます。その結果実際には余裕を持って合流地点にたどり着くことができます。

前走者が合流地点にたどり着けば、次の走者は遅れなく走り出すことができます。そして、プロジェクト全体のクリティカルチェーン最終部にもバッファーを用意しておくことで、プロジェクトの遅延を事前に予防することが可能となります。

プロジェクトをマネジメントする上でのその他のコツ

これまでの説明では、話を単純にするためにかなりシンプルなプロジェクト図で解説させていただきました。

しかし、実際のプロジェクトはもっと複雑で、様々な人・要素が絡み合うものです。

書籍クリティカルチェーンの中でも、人的リソースの問題(複数の工程の中で、ある人しかできない作業があり、「その人待ち」の渋滞が起こる)など様々な要素が挙げられていました。

いわゆる「この人しかできない作業、属人化している作業」がプロジェクトの各所に見られるケースです。

そういった場合、クリティカルチェーンはその人を基準に、各チェーンを縦断するような流れとなり、それがプロジェクトの時間を決めるようです。

人的リソースの制限によるクリティカルパスの変化

赤線:見かけ上のクリティカルチェーン(これで時間見積をすると失敗する)
緑線:「その人」のリソースを考慮した実際のクリティカルチェーン

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。バッファーは合流地点とプロジェクトの最後の2箇所に設けると良いというのが今回の記事の結論です。

個別のケースを挙げればキリがありませんが、この度の3回の記事でお話させていただいた3つのコツは、多くのプロジェクトで汎用的に活かせる視点だと思いご紹介させていただきました。

  • 気づき1:全行程を網羅しているか
  • 気づき2:各工程でバッファーは設けない
  • 気づき3:バッファーを設けるのは2箇所

 

プロジェクト開始時に、プロジェクト全体を網羅したマップを描けているでしょうか。抜け漏れがあればあとで怖い目に合います。

人間の心理的にはバッファーを設けたくなりますが、各工程ではバッファーを設けてはいけません。それはほとんど「不要なバッファー」です。

バッファーは合流地点とプロジェクトの最後だけに設けて下さい。心配ですが、これでうまくいきます!

なにか参考になるものがあれば幸いです!
もし過去記事をまだ読まれていない方がいましたら、ぜひ御覧ください。

プロジェクトをスケジュールどおりにマネジメントするための3つのヒントその1

プロジェクトをスケジュールどおりにマネジメントするための3つのヒントその2

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