採用応募の確度の上げ方
当社で行っている求人では、応募者が関わりそうな部門の社員も書類や面接の段階から採用選考の判断を受け持っています。
ありがたいことに年間を通して求人応募を多くいただいているので、応募者の選考に関わる機会は結構な頻度でありますが、最終面接まで進む方はかなり絞られます。
これは当社の選考基準ももちろん影響していますが、どちらかというと応募者の準備や伝達不足によって選考から漏れているパターンもかなりあります。
ということで今回は求人応募について選好者目線での応募対策・アドバイスをまとめてみました。
当社のようなWEB系に限ったことではなく、色んな業種の企業に通用する話だと思いますので参考になれば幸いです。
<応募のステップ>
求人エージェント系からの応募には注意
自分で良さそうな会社を探すより、自分の経験やスキルなどを考慮して企業のリストアップやコンタクトを代行してくれる求人エージェントは求職者に大人気です。
サービスを利用する求職者側にとって金銭的な負担がないサービスが多いという点も魅力です。しかし、企業にとってはどうでしょう?
求人エージェント系が利益を上げる仕組みは、求職者を企業に紹介して採用されることによる成果報酬で、相場は大体、企業が社員に支払う年収の1/3辺りです。
ここで見方を変えると、企業からしてみれば求人応募は欲しいですが、採用の募集部分にコストを掛けたがらない企業は多いです。そうなると企業からしてみれば、求人エージェントから紹介された人は100〜200万の初期投資に見合うかというバイアスが掛かることになります。
多くの企業にとって採用のみでこの初期費用はかなりの冒険になります。自然と100〜200万に見合う人材か判断されることになり、多くの判断基準で職歴やスキルに集中することになります。
ある程度の実力あれば即戦力と判断されるので、企業に良い方向で検討してもらえる可能性も生まれますが、未経験職に対する応募だとどうでしょうか?
このように企業側にも様々な事情があるので、そうしたバイアスを避ける方向で動くなら、企業WEBサイトのエントリーフォームから直接送信が良いです。
企業側も自身のWEBサイトからの応募であれば、最初から意欲が高いと見る傾向はあります。
ハローワークなども職員からの紹介によるケースがあるため、「自分の意思でその企業に応募した」と応募時点で伝わると次へ繋げやすくなります。
<書類選考のステップ>
履歴書や職務経歴書を書く時、どこかで見つけた見本通りに書いていませんか?
見やすく・伝えやすくするための書き方は大事ですが、貴方の志望動機や持っている技術までその定型文の中に押し込めていないでしょうか?
企業側も応募書類にまず目を通すため、年間に数十からそれ以上を目にしています。
そうした中で企業側が書類に対して意識的に目を通す部分が「志望動機」と「求職者が出来ること」です。
なぜこの会社なのか、なぜその仕事なのかという理由
企業側は「なぜ当社なのか」という部分を知りたがります。
理念への共感なのか、事業に対する興味なのか、職場の立地や環境なのか……求職者が会社の何に惹かれたということ次第で、企業への意欲のある・なし、長く働いてくれそうかなどを判断する一つに材料にするからです。
逆に、よくあるような見本を元に作った文章だと選考する企業側は興味を失いがちです。
「当社でなくてもいいですよね?」というやつです。
ですので応募書類には自分の言葉で志望動機を『作文』することを勧めます。
この段階で応募企業のWEBサイトをしっかりと読み込んで理解を深めておくと、企業側も「当社への理解がある人だな」と受け取ってもらえる志望動機を書きやすくなると思います。
自分が出来ることは明確に
志望動機だけでなく、もう一つ大事なことが自分には何ができるのかをしっかりと企業に伝えることです。
企業にとって即戦力の人材というのは、育成コストが掛からない面でやはり心惹かれます。
ですので、出来ること・出来ないことの可視化は求職者が自分の価値を企業に伝える手段として非常に重要です。
ではどう表現すれば良いかと言うと、まず使用できるソフトウェアや持ってる資格(Office、○○二級など)を箇条書きし、実績の提示、転職者なら前職で携わった案件の具体的な担当した作業などでしょう。
特に視覚的に見せられる実績の提示は説得力を持たせられるので有用です。
例えばWEB関係の制作に携わっているのであれば、URLを提示して「このサイトのデザインを全て起こした」「WEBサイトの構築を行った」などを提示することで、企業側は応募時点で求職者の実力をおぼろげながら理解できます。
企業にとっても採用に至るまでに時間的なコストが発生し続けるため、応募の早い段階で「良い人材だな」と判断できる応募者は好まれやすいです。
その心理を逆手に取った応募書類を作り上げましょう。
また、未経験職に対してでもこの辺りの表現は重要です。希望職に対して自分が持っているスキルがどうマッチするか、マッチしない場合に自分が何を持っているか、何が出来るか、何を成し遂げようとしているのか、という部分も重要な動機ですので手を抜かれないように。
<面接のステップ>
ここまで力を入れても書類選考をあまり重視せず「とりあえず面接しよう」という企業は少なくありません。
ですが無策で挑むのは無謀です。ここでもしっかりとした対策を行うことで確度は上げられます。
事前の企業リサーチ
といっても、この工程は応募書類を作る前段階で行われているはずです(志望動機を書く上で)。
ただ、面接では顔を突き合わせてのコミュニケーションとなるため、とっさの言葉が出ないかもしれません。企業にとっても判断材料が欲しいから面接で質問をしているわけですので、その質問に対応するために応募企業に対する最低限の見識は持っておくべきです。
幸いにも現代なら殆どの企業はWEBサイトを持っているはずですので、WEBサイトを読み込みましょう。
特に企業の理念・方針、行っている事業はよく読み込みましょう。
これでその企業が「どういう考えで、そうした仕事を行っているか」はある程度読み取れるはずです。
企業側も面接時は「なぜ当社なのか?」を知りたがって質問しますので、こうした事前リサーチをしておくことで自分の中で応募企業に対するイメージを準備しておけます。イメージできていれば答えられることは答えられるし、イメージできない部分ははっきりまだ分からないと言えますよね? 曖昧な回答は一番NGなのを念頭に入れておきましょう。
<最後に>
色々書きましたが、いかがだったでしょうか。
面倒くさいな……と思われるでしょうが、そもそも就職とはそういうものです笑。
むしろ何社も応募するほうが神経がすり減って良いことがありません。しっかり注力した方が確度も上がって人生の転機を作り出しやすくなります。
応募企業への理解を深めることも、自分の商品価値を言語化することも、最終的には「自分のため」です。
求人応募という機会に「他人に伝えるために自分をどこまで客観視できるか」という面で自分の掘り下げもできると思います。
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