心を動かす7つのコミュニーケーション戦略とは【アカウントプランニング論】
コミュニケーション戦略とは
こんにちは。今年はマーケティングの知見深めていこうと思っている、営業の鈴木です。
本日はマーケティングにおけるコミュニケーション戦略の一つである【アカウントプランニング論】について書きたいと思います。
“コミュニケーション戦略”については前回の記事を参照ください。
アカウントプランニング論【深層心理が人を動かす】
アカウントプランニング論とは、「深層心理」によって人を動かすアプローチを作る戦略論。消費者の行動に潜む心理を発見・理解し、広告開発プロセスに取り込む手法です。
たとえば、最新のスマートフォンを買いたいとなった際、「便利だから欲しい」と思う表の心理の裏には、「これで周りと差をつけられる」といった深層心理が隠れているもの。アカウントプランニングではこの深層心理(インサイト)にあらわれる「心を動かすツボ」に重点をおいて広告の設計を行なっていきます。
クリエイティブブリーフの8つ要素
また、アカウントプランニングでは最終的に1枚のペーパー、「クリエイティブブリーフ」に集約されます。クリエイティブブリーフとは、いわゆる広告の設計図であり、どんなコミュニケーションをつくるのか、その骨組みを示すためのものです。クリエイティブブリーフに必要な基本的要素は以下の8つがあります。
①広告の目的(何を達成するのか)
その広告を、どんな目的でつくるのか。そのコミュニケーションによって達成したいことを明確に書く。
②ターゲット(誰に語りかけるのか)
コミュニケーションによって認識の変化を起こしたい「理想顧客像」を書く。ブリーフを受け取った人が人物像をいきいきと思い浮かべられるかがポイント。
③現状(どう思われているか)
ターゲットが、そのブランドをどのように認識しているか。定量・定性調査などで判明した、現状のブランドの顧客イメージを書く。
④将来像(どう変えたいか)
現状の顧客イメージをどのように変えたいのか、そのブランドのゴールともいうべき姿を書く。
⑤コンシューマーインサイト(心を動かすツボは)
現状の顧客イメージを、将来像=ゴールとなるブランド像に変えるためには、どんな深層心理をつけば心が動くか、欲しくなるか、そのツボを書く。
⑥プロポジション(何をメッセージするのか)
ターゲットに対して、何を伝えるのか。ブランドからのPropose(提案)なので、ブランドを主語として書く。
⑦信じられる理由(根拠は)
プロポジションが納得できる理由を書きます。商品の属性や性能が書かれることが多いが、企業イメージや生産国/エリアのイメージなど商品外の特性でもかまわない。
⑧トーン(どんな語り口、雰囲気で伝えるか)
説得調なのか、エンターテインメントとして見せるのか、社会的なテーマとして共感させるのか、などなどメッセージをより強く伝えるために、どの語り口がよいかを書く。
クリエイティブブリーフを書く際に大切な事は、ただ各項目の穴埋めをするのではなく、それぞれをつないでいくと一つの戦略ストーリーになっているかどうかということが重要です。一枚に集約することで戦略がクリアになり、共有しやすくなる便利なツールです。またターゲットのこの深層心理をつくために、このメッセージを伝えることで、こんな将来像になって、こういう広告目的が達成されるんだという世界観のアウトプットを描けるかどうかが大切です。
【アカウントプランニング論の事例】
イギリスの高級デパート「Harvey Nichols」が、クリスマスシーズンに向けて打ち出した「Sorry, I Spent it on Myself(ごめんね、自分のためにお金使っちゃった)」というキャンペーン。
これは、クリスマスプレゼントを買いにデパートへ行くと、自分が欲しいものを見つけてしまい、「せっかくお金を使うなら、他人へのプレゼントではなく自分のために使いたい」という誰もが一度は感じたことのある気持ちを表現して描いています。
具体的な内容は、店舗とオンラインストアで数十円〜数百円のリーズナブルなギフトコレクションを発売。きれいなパッケージに包まれた中身は「つま楊枝」や「輪ゴム」など。予算のほとんどは自分の買い物に使って、他人へのギフトには代わりにこれを渡したらどうですか、というシャレになっています。
クリスマスプレゼントを買いに行った時の「ついつい自分へのプレゼントが欲しくなっちゃう」という深層心理が見事に表現された広告となっています。
アカウントプランニング論のメリット・デメリット
【メリット】
・消費者意識が反映された戦略およびクリエイティブが生まれやすい。
・インサイトは低関与の人、広告を信じない人の気持ちを動かす力がある。
・クリエイティブブリーフという1枚の設計図にまとめることで、戦略のブレをなくすことができる。
【デメリット】
・インサイトは、その真偽や効果について定量的な評価が難しい。
・「メッセージを伝えて、意識を変える」という考え方がベースなので、双方向のコミュニケーションには向かない。
まとめ
アカウントプランニング戦略を実行することによって、消費者の深層心理をつく訴求がすることができます。
そのため、クリエイティブブリーフを用いて一枚に集約することで戦略がクリアになり、共有しやすくなる便利なツールです。まだまだ勉強中ですが、僕も普段からブリーフに落としたらどう書けるか?という着地をイメージしながらプランニングをしていこうと思います。
次回は「ダイレクト論」について書いていきたいと思います!