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マルチタスクとシングルタスク

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こんにちは。ビーズクリエイトのカンバヤシです。

少し前に読んだ本をまた読み返していて、面白い内容があったのでブログに書きたいと思います。

 

読んだ本はこちら

スクラム 仕事が4倍速くなる”世界標準”のチーム戦術

ジェフ・サザーランド著 石垣賀子訳

早川書房出版

 

この中から、第五章「無駄は罪である」の冒頭のお話をさせていただきます。

 

要はマルチタスクとシングルタスクどっちがいいのってお話です。

もくじ

  1. (あたり前ですが)自動車を運転しながら電話をしてはいけないというお話
  2. 人間の脳のしくみを体験する2分で終わる小テスト
  3. プロジェクト数と作業効率
  4. まとめ

以上です。よろしくお願いいたします。

 

1,(あたり前ですが)自動車を運転しながら電話をしてはいけないというお話

もちろん、皆様はされていないとは思いますが、自動車の運転中に携帯電話で電話なんてしないでくださいね。

こんな実験結果があるみたいです。

携帯電話で話しながら運転していると(ハンズフリー機能を使っていても)、そうでない場合よりも事故を起こす確率が高い。

こんな論文もあるみたいです。

たとえ車の外に見えるものに視線を向けたとしても、運転しながら携帯電話で話していると実際には「見えていない」ことが多い。話していることで周囲に払う注意がそがれ、電話での会話に関連する頭の中の認識に注意が向かうためだ。

たしかに、私も車の運転中に考え事をすると、気がついたら目的地に着いていて、でもよく考えたら道路を曲がる瞬間の記憶が無かったりします。これって、意識が考え事に集中しまっているということなんですね。当社にも運転しながらカラオケ大熱唱する方が多いので、ちょっと心配になりました。

さて、ここで言っていることは、人間の脳は、AとBというタスクを同時にしているようで、実は意識は一つのことに集中していて、AとBを瞬間的に切り替えている状態なんだそうです。

では、次にそれを実際に体験してみましょう。

 

2,人間の脳のしくみを体験する2分で終わる小テスト

ここで2分ください。紙と鉛筆とスマートフォンでストップウォッチを用意してください。

テストの内容はこうです。以下のローマ数字とアラビア数字とアルファベットをそれぞれ次の順番で紙に記入してください。その時間を計ってください。

ローマ数字(Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ Ⅹ)

アラビア数字(1 2 3 4 5 6 7 8 9 10)

アルファベット(A B C D E F G H I J)

 

テスト① Ⅰ ⇒ 1 ⇒ A ⇒ Ⅱ ⇒ 2 ⇒ B ⇒ Ⅲ ・・・(ローマ数字⇒アラビア数字⇒アルファベット⇒ローマ数字・・・という順番で)

テスト② Ⅰ Ⅱ Ⅲ ・・・ Ⅸ Ⅹ 1 2 3 ・・・(ローマ数字全て書ききったらアラビア数字という順番で)

 

①のパターンと②のパターン、どちらが早かったでしょうか。ぜひやってみてください。

 

3,プロジェクト数と作業効率

上記2の小テストをやった方は、おそらく①と②では時間が倍近く違ったのではないでしょうか。

ちなみに私の場合、②は①の半分以下の時間で書くことができました。

①と②で出来上がったものは全く同じにも関わらず、作業時間に2倍以上の差が生じたのです。

ここでは、②のパターンはローマ数字を順番に記載するというシングルタスクを終えてから、アラビア数字を順番に記載するという次のシングルタスクを行いました。そして、最後にアルファベットを記載するという3つめのシングルタスクを行いました。ここでは、タスクの切り替えが2回あったことになります。

ところが、①のパターンでは、ひとつ記載をする毎にタスクの切り替えが行われ、29回のタスク切り替えが発生しました。その結果、②の2倍以上もの時間がかかってしまったのです。

つまり、人間の脳はマルチタスク(=タスク切り替えが多数必要な仕事の仕方)に向いていないと言えます。

 

こんな実験結果ももあるそうです。

心理学者ハロルド・パシュラーは、一九九〇年代初めにこれを実験で明らかにし、「二重課題干渉」と呼んだ。実験はシンプルだ。あるグループに「ランプが点灯したらボタンを押す」のようなごく単純な課題を行ってもらう。別のグループにはこれと同じ課題と、もう一つ「ランプの色によって異なるボタンを押す」という別の単純な課題の両方をやってもらう。すると課題が追加されたとたん、それがどんなに単純なものでも、かかる時間が倍になった。

それをまとめたものが、以下のデータだそうです。

5つものプロジェクトを同時進行すると、プロジェクト切り替えによる時間の損失が75%にも達するというデータがあるようです。驚きですね。

 

4,まとめ

さて、ここまでの内容でわかると思いますが、マルチタスクには人間の脳の構造的に「タスク切り替え時の時間の損失リスク」が含まれています。どうぞ皆様も一度仕事のやり方について考えてみてはいかがでしょうか。しかし、マルチタスクが完全に悪とは限りません。マルチタスクにはマルチタスクの良さもあります。大事なことは、マルチタスクとシングルタスクを上手に使い分けて、成果を最大化することだと考えています。