私たちは、ちょっとしつこいくらい質問します。
ビーズクリエイトに入ってからよく考えるようになったことがあります。それは、仕事を依頼する人と依頼される人との間で、目的の共有があるかということです。おそらく、ビジネスシーンに限らず様々な場面で起きているミスマッチは、目的の相互理解が無いからではないかと考えています。
例えば、業界あるあるだと思うのですが、
- デザインが古くなってきたから、ホームページをリニューアルしたい!とクライアントが考えます。
- ホームページ制作会社に「古いデザインを変えたいから、リニューアルしたい!見積頂戴!」とお問い合わせが入ります。
- ホームページ制作会社は「デザインが古いですね、かっこいいデザインに変えましょう!費用は◯◯万円かかりますよ。」とご提案します。
- クライアントは◯◯万円かけてホームページのデザインリニューアルを行います。
- 数ヶ月後に新しく素敵になったホームページが出来上がります。クライアントは大喜びです。
- そしてさらに数ヶ月後、クライアントから制作会社に電話が入ります。「せっかく◯◯万円かけてリニューアルしたのに、全然売上増えないんだけど!!?」
- 制作会社「えっ、古いデザインが素敵になったと大喜びだったじゃないですか・・・」
・・・何が失敗の原因だったのでしょうか。
おそらく、上記「3」の仮定に問題があったのだと考えています。
もし仮に、ホームページ制作会社が、この3の段階で「どうして古いデザインを変えたいんですか??」って聞いていれば、
- だって、古いデザインだと同業他社に負けてしまうじゃない
- だって、なんか活気のない会社みたいじゃない
- だって、なんかダサいじゃない
こんな返事が返ってきたかもしれません。そして、それはチャンスです。
もう一度、「どうして」をつけて聞いてみましょう。
- どうして、同業他社に負けてはいけないのでしょうか
- どうして、活気のない会社みたいになってはいけないのでしょうか
- どうして、ダサいといけないのでしょうか
※聞き方は気をつけた方が良いと思います。
「そんなのだめに決まっている、あたり前だろ!」と言われると思うのですが、クライアントにとっての「あたり前」が、ホームページ制作会社の「あたり前」で無いことが往々にしてあるのです。
- 同業他社にホームページのクオリティで負けたら、ブランドイメージも負けてしまうじゃないか、そうしたら競争に負けてしまう
- 活気のない会社だと思われたら、新たな人材も獲得できない
- ダサいホームページを持っている自分が嫌だ!
上記はあくまでも例ですが、「3」の段階でクライアントの本音に近いもっと深いところまで聞いていれば、ホームページ納品後の「売上上がらないんだけど!!?」というクレームに繋がらなかったかもしれません。
このケースの場合は、クライアント自身に「ホームページのデザインを変えたいという」手段で、「ホームページからの売上を上げたい」というあたり前の目的があったのでしょうね。
これはとても極端な例ですが、大なり小なりで様々な場面でこういうことが起きています。
そして、最初のヒアリングの質次第で、クライアント満足度も上がり、仕事の効率化(後からの修正を減らし、無駄の削減をする)ができると考えています。
ちょっと違うかもしれませんが、以下の記事が面白かったのでシェアします。
ヤフー知恵袋でスタバの美味しそうなメニューの写真が投稿され、「このメニューは何ですか?」という質問が。
回答者さんは丁寧に写真から様々な情報を収集し、メニューを推測します。
しかし、ベストアンサーに選ばれたのは驚きの回答でした。
「おいしそー 私も飲みたい!」
せっかくの懇切丁寧な回答者さんの回答はスルーされておりました。
回答者さんのこの親切心・回答を考える時間・回答する時間は何だったのでしょうか。。。
回答者さんを悪く言うつもりは決してありませんが、これは回答者さんが質問者さんの目的を把握できていなかったことに原因があると思っています。
質問者さんの目的は、「スタバのメニューを知りたい!」ではなく、「すごく美味しそうだと思った、誰かに共感してほしい!」だった。回答者さんは上記の事例のホームページ制作会社さんのように、「手段」にアプローチしてしまったのですね。
おそらく、こういった目的の相互理解の無さが、世の中の至る所でアクシデントとして発生しています。
きっと、お互いにとって幸せなことではありませんよね。
ですから、私たちビーズクリエイトは、「ちょっとしつこいくらいに」質問させていただきます。ぜひ、皆様の「目的」をお聴かせください。